東京営業部 衣料製品課長

もともと服が好きで製品づくりの仕事を希望していたのですが、入社後に配属されたのは、浜松の原糸課。そこで5年間、原糸のデリバリーや営業を担当しました。まるで想定外の仕事だったので、最初は戸惑いましたが、今になってみると、あの頃に原料の勉強をしておいて良かったなと思いますね。業界の川上の仕事を経験してから、川下の製品部門に来られたのは、キャリアステップとしては理想的だったかもしれません。製品づくりでは、当然「流行」の色やデザインを追いかけますが、そのカタチや質感が何から生まれているのかを知っていることは、モノづくりを組み立てる仕事をする上で、とても大切なことなんです。例えば、アパレルメーカーから「次の夏は、こんな服でどうだろう?」と、相談を持ちかけられるのは、シーズンの数ヶ月前。まだ、その段階ではデザイナーやバイヤーなど、先方の担当者が話す言葉か、ファッション雑誌から切り抜いた写真をコラージュしたイメージボードしかありません。そこから、企画会社のスタッフと一緒にイメージを実現するために最適なテキスタイルやプリント、ボタンや裏地などの部品調達・さらに、それらをカタチにする縫製工場の選定までを行うのが私たちの仕事ですから、川上に関する知識やノウハウの蓄積が不可欠なんですね。最近では、縫製のほとんどを中国や東アジアで行いますから、現地工場の特徴を把握しておくことが非常に重要です。ただ単純に服を縫ってつくることはどこの工場でもできますが、その服に合った風合いに仕上げるための加工技術や品質管理のレベルは、工場によって様々なんですね。だから、そうした実情を見るために、毎月中国や東南アジアへ出かけて工場をチェックしたり、その責任者の方たちとコミュニケーションを取っておくことも大事な業務になります。つまり、販売先のイメージを実現するために、使える引き出しをたくさん持っていることが、この仕事のキーポイントなんです。言葉を変えれば、それはパズルのピースのようなもの。求めるイメージに合わせて、素材の調達先や加工・縫製・運搬手段など、それぞれ最適なピースを組み合わせることで大きな一枚の絵を描いていく。営業ですから、完成した商品が市場で評価されて、追加注文に追われる・・・というのが一番のやりがいですが、ピースを選んでパズルを組み立てていく過程も、楽しみのひとつですね。もちろん、製品づくりには多くの工程があり、人手もかかりますから、トラブルはつきものなんですが、それを気にしていたら魅力的なビジネスはつくれません。販売先から怒られても、それでお付き合いが終わるのではなく、それをリカバリーすることで関係を深めるのだと考えるようにしています。海外の取引先との関係もそうですね。トラブルを一緒に乗り越えることで絆は強くなります。つまり、手持ちのピースの輝きが増すんです。すると、パズルはもっと面白くなるはずです。





1996年入社。
友人と集まってバーベキューやキャンプをすることが好きな山幡だが「子どもが生まれてからは、ガラッと変わりましたね」と苦笑いする。家族で公園へ出かけたり、買い物につきあったり、それはそれで楽しいのだが、もう少し子どもが成長したら、また、ゆっくりアウトドアを楽しんでみたいと考えている。毎週末、5kmのランニングで汗を流しながら、次の挑戦へ向けて心と身体をリセットする。