名古屋第一部 原糸課長

一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、愛知県は三河・尾州など古くからの織物産地が集積した地域なんです。市で言えば、蒲郡市や一宮市を中心としたエリアですね。それらの地域の機屋(はたや、と読む。織物メーカーのこと)を訪問して、生地を織るために必要な糸を販売するのが、名古屋原糸課の仕事。私はタオルで有名な愛媛県の今治市と愛知県・三重県エリアの一部を担当しています。もちろん、地域やメーカーによって、求められる糸の種類や番手(太さ)も異なりますから、販売先の特長を見極めた提案をしていかないと、息の長いビジネスにつながりません。特に、タオルの産地としてブランドを確立した今治では、各メーカーが特色あるタオルづくりをしようとしのぎを削っていますから、他の繊維商社と同じような糸を提案しても、相手にされません。どんな糸が欲しいなどと、いちいち教えてくれませんから、そこから先は「センス」ですね。お客さまとの会話の中から、見学した工場の雰囲気から、求められる糸を嗅ぎ当てていくのが、私のスタイル。そこに、市場の嗜好変化や、これまでの製品のラインナップなども考え合わせて、これだ!と確信できる糸を提案します。よく、あれもこれもと提案する営業マンを見かけますが、 私はその手法は取りません。迷わせてしまうだけです。確信を持って提案した糸を見たお客さまに「そうなんだよ。こんな糸が欲しかったんだ!」と言わせるのが営業の腕、この仕事の醍醐味なんです。売り手も買い手も、お互いがこれだ!と確信できると、その後のモノづくりもスムーズだし、実際にいい製品が出来上がります。長く続くビジネスは、そうした積み重ねで育まれていくのですね。また、馴染みの販売先との商談では、1千万円とか2千万円の契約をその場で決めたりすることもあります。こうした大きな商いを個人の判断でできるのも、原糸営業の面白さだと思っています。
最近は、後輩たちの成長が嬉しいですね。目の色が変わってきたのがわかります。彼らには「私のマネをするな」とずっと言ってきたんですが、ようやく自分のスタイルを発見しはじめたようです。私に追いつこうなんて目標、みみっちいでしょ?羽根がこうやるなら、俺はこっちのやり方で結果を出してやる!と思わなきゃ、成長なんかしませんよ。それで失敗するのも勉強だし、失敗をリカバリーできてこそ営業ですから。 取引先も、そこを見ていますし、評価もしてくれるんです。だから、もっと貪欲にいろんなチャレンジをしてほしいですね。ナマイキと思われるくらいで、ちょうどいい。自分の個性を思いっきり発揮しながら仕事するのは楽しいし、一生懸命にもなれる。それで営業成績を上げられれば、それが会社、そして社会に貢献することになるのですから。



2000年入社。
大きな企業の中の歯車になりたくなかった。実力で上を目指せる会社で、自分の可能性を試したかったというのが入社の動機。だから、2年の修行期間を経て、念願の営業に配属された時は、本当に嬉しかったと笑う。休日は、個性的な営業スタイルから打って変わって、家族との時間を大切にするパパの顔になる。